マンションなどの集合住宅において、とにかく気になるのは、隣人の「音」であり、それが「気になる」というレベルですんでいるうちはまだいいのですが、それがだんだん耐えられない音であるように感じてきたり、あるいははっきりと「騒音」と感じられるレベルの音になったりすると、これは少々問題が生じることになります。
マンションやアパートなどの集合住宅において、そうした「音」がいったいどこから伝わるのかというと、これは主に「床」が音の広がりの発信点となっているケースが多いと考えられています。まあそれは確かに間違いではないのですが、しかし実際には、床だけではなく、窓のつくり、あるいは壁の厚さや材質にも大きく影響していることは、おそらくだれでも想像できるところであると思います。
窓の場合は、隣人との音のトラブルというよりは、むしろ完全な第三者の騒音(車やバイク、あるいは工業施設などが発する音)が主な問題となる印象もありますが、しかし「壁」に関しては、やはり隣人とのトラブルの大きな原因となることは間違いありません。
壁が音を通すかどうかを決定づけるのが、厚さと材質ですが、さらに具体的に言えば、コンクリートであるかどうか、構造スリットがあるかどうか、さらにはコンセントボックスやスイッチボックスの配置などといった、一見無関係とも思われるファクターさえ、実は音漏れの原因になっていたりするので、このあたりにはよくよく注意を傾けておく必要があると考えるべきでしょう。